2013年1月17日木曜日

基本的な使い方:動画編

ここのところ、「動画遊び」におけるマニアックな点を主にまとめていたが、少し趣きを変えて、MP870 における動画再生の基本的なところをまとめてみようと思う。

これにより、多くの人が MP870 での「動画遊び」を楽しむきっかけになれば、と思う。

作業の流れ

MP870 にてお気に入りの動画を再生するまでの作業の流れを以下にまとめる。

  1. 元となる動画(ソース)を用意する。
  2. 用意した動画を MP870 用に変換する。
  3. 変換した動画を MP870 に転送する。

1.ソースを用意する

MP870 にて再生したいと思う動画は当然ユーザー毎に異なるが、元となる動画については注意が必要だ。

例の「ダウンロード違法化」 や「リッピング違法化」によって、「自分で購入した物だから」とか「どこかにアップロードさえしなければ大丈夫」的な単純な判断ができなくなっている。

また、ソース自体が公序良俗に反するものを MP870 に入れるのは NG だ。

MP870 には、パスワード・ロックや暗号化など、内部のコンテンツに対する保護機能は一切無い。
そのため、もし、ヤバいものを詰め込んだ MP870 を紛失した際に、内部のコンテンツを見られてしまうと、社会的にアウトである。

2.MP870 用の動画に変換する

このブログの他の記事にも書いているが、ポイントを押さえれば、MP870 での動画再生はアリである。

世の中には、「MP870 の動画再生はつかえねー」と言っている人や、MP870 が動画をカクカク再生している様子をご丁寧に YouTube にアップしている人がいる。
俺は、この人たちをdisるつもりは無いのだけれど、もうちょっと頑張って欲しかった。

動画変換の方法はユーザー各自の馴染んだやり方で良いと思うが、初心者や未経験者が遊び始めるのであれば、XMedia Recode を推奨する。

【XMedia Recode の良い点】
  • 最初から日本語化されている。また、日本語訳もおかしくない。
  • ffmpeg の更新への対応が早い。
【XMedia Recode の悪い点】
  • GUI に多少のクセがある。
  • GUI の動作が多少バギーなことがある。
XMedia Recode の使い方の詳細については、他所の人の解説ページを参照されたし。
XMedia Recode における MP870 用動画の設定については、このブログ内の他の記事を参照して欲しい。

3.MP870 に動画を転送する

さて、MP870 用に用意した動画を以下の手順で転送する。

3.1.事前準備

[メインメニュー]―[設定]―[USB接続モード]を選択する。
「USB接続モード」が[USBモード]となっていることを確認する。
(MTPモードではない事を確認する)

3.2.接続する

USB ケーブルで MP870 と PC を接続する。
この時、MP870 本体の電源が入っていても、入っていなくても構わない。

接続すると MP870 の画面が[USB接続画面]となる。

画面には、[USBデータ転送]と[USB充電&再生]の2つの選択肢が表示されるので、[USBデータ転送]を選択する。

これ以降は、PC 側で MP870 との接続を解除するまでの間、MP870 の本体側の操作は一切できない。

PC の OS の種類により表現が異なるが、MP870 はマスストレージ(大容量ストレージ)として認識される。

MP870 に microSDHC カードを装着している場合は、MP870 の内蔵メモリーとは別に、論理ドライブが割り当てられる。

例) 内蔵 8GB : E ドライブ、microSDHC 32GB : F ドライブ

3.3.動画ファイルを転送する

エクスプローラーで見ると、「コンピュータ」の下に MP870 に割り当てられた論理ドライブがぶら下がっている。

用意した動画ファイルは、内蔵メモリーや microSDHC のどちらに置いても構わない。

必要であれば、ファイル整理のために、フォルダーを用意しても良い。
MP870 の論理ドライブに対して、エクスプローラーで「新しいフォルダー」を用意できる。

転送先の準備が整ったならば、エクスプローラーを使って、動画ファイルをコピーする。

3.4.切断する

PC の OS の種類により方法が異なるが、USB接続されたマスストレージの接続を解除する。

接続を解除すると、MP870 の画面が切り替わり、内部の状態が再スキャンされる。

スキャンの終了後、[メインメニュー]―[動画]を選択して、転送先のフォルダーを選択して、動画を再生する。

めでだし、めでたし。

後書き


とまぁ、MP870 における動画再生までの手順をまとめてみたが、普段から PC に USB メモリーを接続して使っている人であれば、大した事ではないかと思われる。

「動画遊び」をしている中で、細かいセッティングwを追い込んでいる時は、「接続」―「コピー」―「切断」の繰り返しであるw


関連記事:
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動画再生してみる:その5-再生できない条件
基本的な使い方:動画編

2013年1月2日水曜日

動画再生してみる:その5-再生できない条件

動画再生できない条件

以前の記事(その4)にも書いたが、MP870での動画再生には、
  • 動画再生できない
  • 動画再生できるが、視聴に耐えられない(カクカクする、音ずれなど)
の2種類あった。

MP870での動画の再生能力を調べるために、実際に XMedia Recorder を使って、色々な動画を作ってみた。
その中で、エンコード時のパラメータをちょっと変えただけで、丸っきり再生できない動画ができてしまうことが解った。
エンコード時の各パラメータの変化を MediaInfo で確認しながら考えたところ、MP870 のエンコーダーの性能に、ある種の特徴やクセがあるようだった。

そこで、MP870 のエンコーダーで、再生できる条件・再生できない条件について、以下に整理してみる。

ビデオ コーデック


MPEG-4 AVC / H.264

MP870では各種の動画再生に対応している。
その中でも今回の”動画遊び”wには、H.264 を選択した。
これは以前に PSP で”動画遊び”をしていた際に、「携帯動画変換君」を使ってパラメータ単位で色々と試した経験があるからである。

プロファイル

MP870では、[Baseline]、[Main]、[High] のプロファイルが再生可能であった。
意外だったのは、High プロファイルの動画でも再生が可能だったことである。
但し、プロファイルとレベルとパラメータの組み合わせにより、再生ができたり、できなかったりする。

なお、プロファイルとレベルの組み合わせについては、ウィキペディア(H.264)に詳しくまとまっている。


レベル

MP870では、レベル1からレベル3.2までが再生可能であった。レベル4以上は再生できなかった。
MP870の画面解像度(QVGA:320x240) を考えればオーバースペックではあるが、レベル3.2まで再生可能であった。

後述するが、レベル3.2まで再生できることにより、実は MP870 では、うまく条件を設定すれば、高ビットレートで 30 fps のヌルヌル動画を再生することが可能なのである。

フレームレート

MP870では、30 fps(29.97 fps)までの動画の再生が可能であった。
(実際は、これ以上の高フレームレートの動画は試していないのだが)

エンコード時のパラメータの設定により、30 fps の動画でもカクカクせず、音ずれ(遅延)せずに快適な視聴が可能であった。

ビットレート

MP870では、2000 kbps の動画の再生が可能であった。
実際は、これ以上の高ビットレートの動画は試していないが、データの転送に余裕がある環境であれば、もう少し高ビットレートも可能かもしれない。
例えば、内蔵メモリからの再生であったり、class 10 の microSDHC を使用するなどが考えられる。

その他のパラメータ

MP870では、H.264 のパラメータに [B-Pyramid] を指定すると再生できなかった。
また、[CABAC] も有効にすると再生できなかった。

これらのパラメータを指定した動画を再生すると、「再生できません」と表示されるか、最悪の場合、MP870 がハングアップした。
MP870 がハングアップすると操作を一切受け付けないので、本体をリセットする必要がある。


オーディオ コーデック


AAC

オーディオのコーデックには AAC を選択した。
特別な理由がある訳では無いが、mp4 をコンテナとした場合の一般的な組み合わせとして考えた。

サンプリングレート

MP870では、[44 kHz]、[48kHz] の指定が可能であった。

ビットレート

目的の動画に合わせて適切なビットレートを選択すれば良いが、320 kbps でも再生可能であった。

まとめ


MP870の動画の再生環境を整えると、思ったよりも高画質な動画の再生が可能であった。

例えば、class 10 の 32GB の microSDHC を用意して、動画ファイルのサイズを無視すれば、充分に高画質な動画を作成して、MP870 で再生することが可能である。


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基本的な使い方:動画編

2012年11月29日木曜日

動画再生してみる:その4-動画の再エンコード

前記事(その3:テスト)にて、手持ちの動画を再生して、色々とテストしてみた。
これにより、MP870での動画の再生において、大体の傾向や癖みたいなものが見えてきた。

そこで、次の段階として、MP870で再生する動画を自分で作るための実験をしてみた。

では何故、動画を自分で作る必要があるのか?

先の動画再生テストにて、結果を大別すると
  • 再生できない
  • 再生できるが、視聴に耐えられない
となった。

再生できなかった動画は、MP870の内蔵コーデックが対応していないためと思われる。
また、再生可能であっても、音ずれ、コマ落ちなどが激しく、「ダメだ、こりゃ」となってしまう。
世間で「MP870での動画の再生は無理」と言われているのは、これらの事だと思う。

ただ、動画の再生テストをしていて、気付いたことがあった。

それは、動画の中には、そこそこ、見れるものがあったことである。

つまり、MP870で動画を再生するのはまったく無理なのではなく、条件がそろえば結構イケるんじゃないだろうか?と言う希望的観測に基く予測である。

もしMP870で快適に動画を再生するための条件が解れば、再生できない、もしくは視聴に耐えられない動画ファイルについては、再エンコード(トランスコード)すれば良いのではないか、と考えた。

現在の一般的なPCのスペック(CPU速度、コア数、メモリ量)を考えれば、再エンコードはハードな処理ではないので、これにより、MP870で持ち出せる動画が増えることになる。

そこで、これらの再生可能な動画から、MP870で快適に動画を再生するための条件を検討することにした。


この辺から、「チープなデバイス遊び」が楽しくなってくるところである。
MP870をひぃひぃ言わせたるw、となるのである。

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2012年8月11日土曜日

動画再生してみる:その3-テスト

MP870は再生可能な動画形式として、mp4やflvをサポートしている。

そこで、MP870の動画再生性能をテストするために、手持ちの動画を色々と再生してみてた。

以前に、YouTubeからダウンロードした「お気に入り動画」wを色々と再生してみた。

大体、手持ちのflv動画は正常に再生できた。
いくつか、再生に失敗した動画ファイルがあったが、原因は特定できなかった。

mp4動画については、再生に失敗するファイルが多かった。
勝率で言えば、5割程度かもしれない。flv動画の方が良く再生できた。

動画を再生した印象では、感覚的にはmp4動画に比べてflv動画の方が「軽い」感じがした。

MP870の様な非力な環境で動画を再生すると、動画ファイルを選択してから実際に再生が始まるまでの間、mp4ファイルは「重い」印象がした。

自分でエンコードした動画ファイルを用意しての比較テストをした訳では無いが、動画のコンテナーとしてのフォーマットはflv形式の方が軽い印象を受けた。


「お気に入り」動画をMP870で再生してみて、ひとつ気が付いた。

ダウンロードした「お気に入り」のflv動画は、PC環境では「Media Player Classic - Home Cinema」(以下、MPC-HC)を使って再生している。

当然、MP870とPCでは再生環境が異なるが、PCのモニターの解像度に合わせた再生では画面の拡大による画像の粗が目立ってしまう。
また、オリジナルの画面サイズでの再生では、モニターの中央に「ちんまり」と動画が再生されるので少々物足りない。と言うか少し寂しい。

ところが、同じ動画をMP870にて再生すると「ちょうどイイ」のである。
感覚的には、「四畳半の部屋の真ん中で大の字に寝る」ような感じである。

絶対的に、また物理的にMP870の画像サイズは小さいが、いつでも、どこでも掌の中で動画が再生できるのである。
この「ポータブル」で「パーソナル」な感覚は、高校の頃にカセットウォークマンwで、初めて音楽を屋外に持ち出した時に似ている。

こうしてMP870にて、通勤途中の電車内はもちろん、自宅のトイレの中や、就寝前の寝床にて、お気に入り動画の視聴を楽しんだ。

まぁもっとも、いつでもネットにアクセスできるユビキタスwな環境であれば、うp主が動画を削除しない限りは、ローカルストレージに動画ファイルを保存する必要が無いことは理解している。
「お気に入り」動画のURLさえブックマークしておけば良いのである。


さて以上により、手持ちの動画ファイルを使った「動画再生能力テスト」wでは、大体の傾向が分かった。
これを元に、次は自分でMP870向けの動画ファイルを用意してみることにする。

このブログの最初の記事(デアイ)にも書いたが、溜まっているアニメの消化に向けて、MP870の本格運用wを開始する(キリッ)

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2012年5月12日土曜日

動画再生してみる:その2-準備するもの

MP870で再生する動画をエンコードするにあたり、以下のものを準備した。

  • MP870本体
  • 増設用microSDHCメモリー
  • XMedia Recode
  • エンコード作業用PC


今回、MP870で動画を再生するにあたり、動画の保存用メモリーを増設することにした。

MP870にはmicroSDHCメモリー用のスロットがあり、ライブラリ感覚でmicroSDHCメモリーが交換できる。
ところが、microSDHCメモリーには挿抜対応回数が決まっている。
また、メモリースロットに対して強い力で抜き挿しすると、内部基盤にスロットが直付けされている場合、スロット自体の耐久性よりも基盤との接触不良が発生することが考えられる。

従って、一度挿したメモリーはあまり抜き挿ししないこととする。そのため、予算の許す限りの最大容量のメモリーを用意することにした。

さらに、今回のメモリーの用途は動画の保存先を想定している。そのため、動画の再生時に有利なようにメモリーへのアクセススピード(主に読み出し側スピード)が早いものとする。

以上により、今回は16GB、CLASS10のmicroSDHCメモリーを動画再生用に用意した。


エンコード作業用PCについては、言うまでも無く、高性能なものが良い。

XMedia Recodeのエンコードエンジンはffmpegであるが、最近のffmpegはマルチスレッドに対応している。
タスクマネージャで簡易的に確認したところ、XMedia Recodeでのエンコード中はCPUのマルチコアを全て使っていたが、メインメモリはそれほど使用していなかった。

従って、メインメモリーの容量よりも、CPUの動作クロックとマルチコア数に影響を受けるようである。

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動画再生してみる:その1-始めに

MP870にはTFTカラー液晶が付いている。

動画再生時は本体を横向きにして視聴する。その際の画面の解像度は320×240ピクセルで、アスペクト比は4:3である。

取り扱い説明書にあるように、各種の動画の再生をサポートしている。

デアイ」で書いたように、溜まっているアニメの消化に使えないかと思い、MP870での動画再生について色々と試したことをチラシの裏にメモっておこうと思う。

MP870を買ってから、情報収集のために「TRANSCEND MP3プレーヤーまとめwiki」とそのスレを参照している。
このwikiの「各種ツール」内で、 動画変換ツールとして「XMedia Recode」(HPはドイツ語)が紹介されていた。(フリーソフト)

以前にPSP向けの動画エンコードで遊んでいた時、「携帯動画変換君」のiniファイルをエディタで編集しながら試行錯誤していたが、結構面倒であった。

試しに「XMedia Recode」を少し使ってみたところ、標準で日本語化されていたり、エンコード・パラメータをGUIで変更できたりしたので、今回の動画エンコードのフロントエンドとして、しばらく付き合ってみることにした。

この「XMedia Recode」は割りと頻繁にアップデートされる。バージョンによっては、多少バギーな動作をする。
以後、この「XMedia Recode」の使い方と、ちょっとしたTipsなども合わせて、MP870向け動画のエンコード方法についてまとめる。

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2012年3月3日土曜日

デアイ

それは、今年(2012年)のお正月のこと。

地元のPCデポのチラシを見ていると、特価品の中に8GBのデジタルオーディオプレーヤーが4980円で売っていた。

今まで東芝のギガビートU202を愛用していたが、容量の2GBをやりくりする場面が増えてきたので、「お正月だし、安いし、ものは試し」と、嫁(リアルの方)にお願いして買ってきてもらった。

チラシには型番などが書いてなかったので事前の調査などは無く、ジャケ買いならぬスペック買いだったのだが、結局、嫁が買ってきたのはトランセンドのMP870だった。

ものを見ると、TFTカラー液晶があり、動画の再生もサポートしているようである。
「これはひょっとして、貯まっているアニメの消化に使えるかも?」と淡い期待をしてみる。

と言うことで、これからしばらくの間、MP870について色々と試したことをチラシの裏に記録してみようと想う。

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